大坂屋のものづくり
木地を作る
職人によって選び抜かれた材木は工場の倉庫で長い間乾燥し、木地師の手によって家具へと生まれ変わります。木地師は長年の経験をもとに木の特徴を見極め、それぞれの家具に見合った木材を選び、各部材を切り分けて組み立てます。長くお使い頂けるよう、精度の高い木地作りを心掛けております。また、後々の修理のしやすさや実用性、日常での使い心地も考え木地作りを行っています。
材料選び
ご注文の詳細が決定すると、木地師が木の目を読み、用途・耐久性・使い勝手、様々な条件に適した材料を材木倉庫から選び出します。
盛り付け棒を作成
図面をもとに盛り付け棒と呼ばれる長い棒に家具の寸法を写しとっていきます。この一本の棒には家具を作る全ての情報が詰まっています。
木取り
十分に乾燥し製品へと加工される準備が整った材木を適材適所を見極めながら切り分けていきます。この段階で木地師は完成図を思い描きながら木取り、木材の色も揃えていきます。
切り出し
木取りを終えた部材を盛り付け棒を使い各寸法に加工します。各種木工機械を使用し、正確に所定の寸法へと切り出していきます。
仕口の作成
家具の部材同士を接合させるため仕口と呼ばれる木組みの加工を行っていきます。仕口にはアリ組、ホゾ組、溝組などがあり、釘などで固定するよりも強度を持たせる事が出来ます。
鉋がけ
使い心地や手触りを重視し、大小様々な鉋で細部まで仕上げていきます。またこの後の彫刻の工程で彫師の刃物を傷めないようサンダー(研磨機)ではなく鉋の仕上げに拘っています。
組立
各部材を接合していきます。長く安心してお使い頂ける家具をつくるため、完成した後の木の動きを考慮し組み立てます。
職人からのひとこと
大坂屋家具店での家具作りは一つとして同じものはありません。それはお客様一人ひとりのオーダーに沿って世界に一つだけの家具を作っているからです。定番の商品を作る際も、使用する材料は自然素材のため、それぞれに表情が異なってきます。だからこそ、毎回毎回の家具作りが真剣勝負!職人はお客様の期待に応えられるよう、日々研鑽し技を磨いています。
和田 康弘
(2008年入社)
群馬県出身、1981年生まれ。豊かな発想力を持つ若手の木地師。
業技術専門校のインテリア・木工科を卒業し、大坂屋に入社。木工好きを仕事にしたいという想いで木地師になる。初めてタンスの引き出しを仕込んだ時に「家具を作っているんだ」とその日が忘れられないとのこと。自身が手掛けた「コーヒーミル」は幻の逸品に。