大坂屋のものづくり

彫刻を彫る

木地師が製作した家具や小物の木地に『彫師』がデザインを考え、軽井沢彫特有の彫刻を施します。彫刻模様は、伝統的な桜・葡萄に加え、松竹梅、薔薇など多彩で、お客様のご要望に合わせてデザインします。それぞれの彫師のこだわりで、各自のセンスと個性を活かした彫刻を手がけております。

下絵

木地に鉛筆で下絵を描いていきます。詳細な下絵は書かず、長年の経験をもとに花や枝の大まかな印を付けます。下絵を書かず印だけで始められるには長い年月・経験を必要とします。

ノミ打ち

下絵をもとに『叩きノミ』や切り出し刀で模様の輪郭を出します。『叩きノミ』で行う『ノミ打ち』の作業は軽快な木槌の音が工房に響き渡ります。

地ざらい・葉つき

立体的に彫刻を浮き立たせるため、輪郭の周りを綺麗にさらい取っていきます。その後、輪郭の内側をさらい取ります。この作業により、桜や葡萄は幾重にも重なる立体感が表現されます。

ひっかき

雄しべや葉脈は『ひっかき』と呼ばれる道具を使い表現していきます。『ひっかき』は軽井沢彫と、そのルーツとなった日光彫でしか使用しない独特の道具です。手前にひっかくことで滑らかな曲線を表現する事が出来ますが、使いこなす為には熟練した技が必要となります。

星打ち

『星』と呼ばれる道具を木槌で打ち込み、細かい模様を施します。彫刻した周辺に星を打つことによって模様を浮き立たせたり、雄しべの周りに打ち込み可憐な花々を表現する最後の工程です。

桜職人からのひとこと

軽井沢彫りを初めて見るお客様には、「すごく素敵だけど、これって何だろう?」と、先入観なく第一印象で「良い、欲しい」と思ってもらえる品物を作りたいと思っています。お客様自身が調べてみたら、「軽井沢彫りの大坂屋だった」と言って頂けるような商品を常日頃考えています。
また目的のあるお客様には、「思っているイメージが形になった」、更には「それ以上の物ができた!」と言って頂けるように提案をしていければと思っています。
それにはイメージを形にできる表現力が必要です。日々の勉強の大切さがここで発揮されます。
大切な一品を作りたいとお思いの方、私達と一緒に形にしませんか?
とことん話し合って、『一生残る物』を作り上げましょう!

飛田和 健彦

(2003年入社)

長野県出身、1979年生まれ。彫刻の技術、デザインに抜群のセンスを持つ彫師。
軽井沢高校卒業後、ESPミュージカルアカデミーに入学、ギター製作を木工から、塗装、電工まで習得した。その後、彫師として大坂屋に入社。外川菊雄氏に師事。軽井沢高校で総合芸術の講師を務め、町内の小学校の卒業制作を指導している。代表作「里桜」はお客様から好評を得ている。